「論点整理」に見る「資質・能力」の位置づけ

ここでいう「論点整理」は,文科省に設置された「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」より,平成26年3月に取りまとめられたものです。

育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会― 論点整理―

さて,ALの評価を語る場面で「資質・能力」の育成は欠かすことのできないものです。そして,それが各教科等の目標とどのように違うのか,結果的に授業はこれまでとどう違うのか(変わるのか),というのが良くある疑問のように思います。

この論点整理では,
① これまでの「知識として何を知ったか」から,「何ができるようになったか」へのシフト
② 「生きる力」を具体化し,教育目標・内容の分析を行う
③ 国立教育政策研究所の21世紀型能力を踏まえ資質・能力の枠組みについて要検討
④ 現指導要領に「資質・能力」を位置付けたり意味を明確化する
⑤ 一方で指導法についてどこまで踏み込むかは要検討
とし,指導要領がどのように変わっていくかの方向性を示しています。

この中では具体的に育成すべき「資質・能力」を
1. 「主体性・自律性に関わる力」
2. 「対人関係能力」
3. 「課題解決力」
4. 「学びに向かう力」
5. 「情報活用能力」
6. 「グローバル化に対応する力」
7. 「持続可能な社会づくりに関わる実践力」
8. リーダーシップ
9. 企画力・創造力
10. 意欲や志
11. 人としての思いやりや優しさ
12. 感性などの人間性
など,としています。少し位置付けがわかりづらかったりするものもありますが,それでも新たに育成したい「資質・能力」としてある程度,具体が示されたと言ってよいでしょう。

ここからは私見になりますが,これら(1.~12.)は元々,教科等の目的を達成する過程で,身に付けられてきたもののように思います。つまり,教科等の目的の達成を目指す指導をしていれば,上記のような「資質・能力」も自然に身についていくものだと考えられます。
一方で,この会が指摘しているように,その方策については具体性に欠け,多くの指導者にとって共通のテーマとなっていたとは,必ずしも言えません。

上記の1.~12.の範囲(大きさ)を踏まえ,よりわかりやすく踏み込んだ内容が,先の教育課程企画特別部会から出された「論点整理」なのですが,それはまた次のお話で。


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