【実践】ワールドカフェ【後編】

記事が長くなったので切っていた前編でした。すっかり忘れて別な記事を書いていましたが,最近の閲覧履歴を見ると,結構前篇を読んでくださっている方が多い!ということで,急いで後編を書きます。

一応いつもの前書きです。

ALで注目すべきは「活動」ではなく,育てたい資質・能力に注目して,年間及び単元レベルでAL型授業をデザインすることである…。とは言え,単位時間当たりの活動がALの目安の一つであることは違いありません。そこで,以上を踏まえた上での活動例として,私が実践したものを紹介します。


前編の終わりは,

授業の中で「本物のワールドカフェ」を行うことの問題点は,
① (本時の目標達成までの)時間がどれくらいかかるか計算しづらい。⇒時間がかかる
② 考えを深める事には有効だが,単純に答えが出る性質の問題では必要感が出ない。
③ 全体での到達点が見えないで終わってしまうので,評価が難しい。
の大きく分けて3点です。これらをクリアするためには・・・。

で終わっていましたね。

では改めて…これをクリアするためには,

① ・ 時間的見通しを,子供自身で立てることができるよう繰り返し取り組む。
・ 授業の型として,タイムマネジメントを含め,定着させてしまう。
② ・ 考え方の交流場面を中心に行う(知識・技能の授業では行わない)。
③ ・ 振り返り(全体交流ではない)を行い,ノートやプリントで見取る。

等の方法があります。

さて,ここまでワールドカフェを教師視点で語ってきましたが,受けている子供の側はどのように感じているか…気になりますよね。当時6年生だった子供たちに,「算数の授業でワールドカフェでの学びは役に立つと思うか」という質問をしてみました。すると,

肯定的意見

・ とにかく話ができるので,楽しい。
・ みんなで考えるので,おもしろい。
・ 自分以外の考え方に,たくさん触れられるのがよい。
・ 話しながら,自分の考えが変わっていくのが良いと思う。
・ 短時間でいろいろな意見が聞けるのが良い。
・ 後で伝えるため,集中して聞かなくてはいけないので,よく覚えられる。

否定的意見

・ 考えがまとまる前に話し合いに参加してくるのは無駄だと思う。
・ 一番効率のいいやり方がどれなのかを判断するのに,時間がかかりすぎる。
・ 自分で考えずに,聞いているだけの人もいる。

どうでしょうか。やっぱり体験している子供達が言うことは説得力がありますね。そして,教師が心配していることも,ちゃんと分析して語ってくれています。もちろん,否定的意見については,それに応えるような支援を行って,より良い「ワールドカフェ方式」への改善を行っています。

大切なのは,こういった声を継続的に集めること(上は2年目のデータで今は4年分のストックがあります)。そして,それを生かして指導の方法を改善していくことだと思います。

現在,私はワールドカフェの授業はそんなに多い頻度ではしていません。というのも,低学年の子供たちにとっては,ワールドカフェ方式の学びには,越えなければいけない壁も多く(書く量・話し合いの技術・支持的風土づくり・学び合いに適した題材など),場面を選ぶ必要があるからです。しかし,「低学年用ワールドカフェ方式」の開発には継続的に取り組んでいるところです。

ワールドカフェに限らずですが,AL型授業を行うためには,飽くなき授業改善の姿勢が不可欠だと思う今日この頃です。


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