全ての教員に必要な「ALの視点」とは(ALの階層②)

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小・中学校ではアクティブ・ラーニングはすでに行われている」は本当か(ALの階層①)
で(より一般的なレベルの先生方が)AL型授業をするための要素があるという話をしました。あわせて「点」のAL,「線」のALというのもありました。今回はその話の続きです。

これまでいくつかのスライドもアップしてきました。それらのスライドを使いながら,各学校さんなどでALの説明をしていくと,一番反応がよいのが以下のコンテンツです。

「発問や応答のあり方」(内部リンク)

非常にシンプルな内容でありながら,実はなかなか踏み込めないでいる内容なのかもしれません。研究担当の先生からすれば「当たり前すぎて,研究内容として不十分」と感じる内容かもしれません。

しかし,AL型授業の核になるのはこういったことなのかもしれません。

① 大事なことは子供が見つける(見つけられるようにする)
② その学び方のよさを十分味わう
③ 子供同士でわかったよさを実感する
④ 自分にとって価値があるはずだから相手の話を聴く
⑤ 相手にわかるように話そうとして,自分の考えをまとめる

形式的な「相手のほうに体を向けて聴きましょう」「ペアを作って話しましょう」という指導だけでは,④や⑤の子供は育ちません。教師から「①や②だったから,今回も自分たちでやってみようか」や「また③ができるように,相手にわかるようにお話できるかな」という発問(支援)があって④や⑤になっていくはずです。

もちろんそのためには,①や②を体験していなければいけません。形式的に身につけさせる必要もあるかもしれません。しかしそれはゴールではなく,それらがALによって身に着けたい資質・能力に結びついていることを,ちゃんと価値付ける(確約してあげる)ことが,各学校の研究担当の先生方のお仕事だと思っています。

また,先ほどの「発問や応答のあり方」は,あるひとつの教科等に限った話ではありません。それどころか,あらゆる学校生活の中で心がけるべき視点だと私は思います。

そして,これが「面」のALだと私は思います。そして今求められている「ALの視点からの授業改善」とは,先ほどの①~⑤のような土台(発問や応答の工夫)があってこそ,それぞれの教科等の単元においてその機能が発揮され,最終的にAL型授業も実施できるのだと言えるでしょう。


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