ちょっと前にこの本(「資質・能力」と学びのメカニズム:奈須正裕先生)を読んでいるうちに,
「学びの文脈」という表現があって,少し気になっていました。
そういえば,田村学先生も,「授業を磨く」で
そんな言葉を使っていたなぁと,思い出しつつ・・・。今回は,上の本「『資質・能力』と学びのメカニズム」のお話。
非常に大雑把に言うなら,新学習指導要領のねらいが,とても端的かつ具体的に書かれている,とっても良い本です。各学校でそろえればいいのに・・・という位です。そういえば文部科学省が,各学校に新学習指導要領を配りましたけど,学校1冊でいいからセットで配ればいいのに,と本気で思いました。
内容は,新指導要領の目指すところとその背景,具体的な授業像なども書かれています。そしてこの本は,「これから校内研究をどのように進めようか」と悩んでいる学校にとっては,まさに救いの書。新学習指導要領のキーワードについてことごとく詳しく説明してくれています。
お値段は2000円弱と少し張りますが,それに耐えうる・・・というより他に変え難い内容の濃い本なので,買って損なし。(最近更新が滞っているので,「買わぬが吉」の本は紹介していないだけに,説得力が薄いですが)
山野的に気になったのは,冒頭でも紹介した「学びの文脈」。この本の中では,それについての明確な定義はないものの,「『学びの文脈』を本物にする」という表現が使っています。これは,学びを細切れの単位時間のものではなく,単元・題材レベルのまとまりで捉え,そこにある子供にとっての学びの意味(文脈)を,具体的かつ状況を豊かに含みこんだものにするべきだということです。
最近良く聞く「オーセンティックな学び」というやつですね。この本では,オーセンティックな学びとは,「真正の,本物の学び」とされています。これだと和訳しただけなので,もう少し・・・
オーセンティックな学びは,
① 複雑で混濁した現実場面の問題解決に耐えうる
② その知識をどのような場面で使うのか,なぜそうするのかについての指導があって行われる(条件節のある知識の習得)
③ 子供が本物の社会的実践に当事者として参画する多様な学び
とされています。一番定義っぽいのが最後に出てきましたね。
先ほどの「学びの文脈」とつなげると,「学びの文脈はオーセンティックな学びによってデザインされることにより本物になる」という感じですかね。
正直どうもすっきり来ないですが,きっとその辺は次の田村先生の本「深い学び」で紹介してくれるだろうと思っていたら・・・
続きは次のエントリーで。