いきなり定期購読者が増えたので若干ビックリしています。そのくせ8月は記事を書かなかったので,そろそろ書いておきたいことを書こうと思います。
6月の文部科学省で行われた新教育課程説明会から2ヶ月と少し経ちました。私自身いろいろな人が,いろいろな事を言っている情報を聞いて,ある程度整理したほうがいいかな・・・という感じを受けたので,印象や感想を踏まえて書きます。
まず,結構な頻度で話題になるのが,
「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」
この3つが並列の関係なのか,順序性があるのか,包含関係があるのかというあたりです。これは話す「人」によって傾向があるように思います。
私が聞いた範囲では,指導主事の先生方や各県の研究所の先生方は,並列で話される傾向にあるようです。これは以前(平成28年5 月9教育課程部会高等学校部会)のワーキンググループの資料(下図1)あたりを参考に話されているようです。
不思議とこの資料を出しながら話していないのですが(もう一つWGの似た資料があった記憶があるのですが思い出せません),たぶん根底にあるのはこれだと思います。まぁ,私たち一般教諭に降りてくるまでは,実際1年以上かかりますから,これくらいのタイムラグはあると思うので・・・そんな感じでしょうね。
次に,教科調査官の先生方の話になると,これは包含関係の話になることが多いです。
これら3つの最も重要なのは「深い学び」であること。さらにそれは「授業改善の視点」であり,育むべき「資質・能力」や評価に直接かかわるものではないというお話です。
そもそも論として,「深い学び」が最も重要であるなんて話は,ALの時から散々言われていた話です。そして,ALの目的は「資質・能力」の育成であり,それが各教科の目標に(資質・能力の)3つの柱として位置づいた以上,そもそもAL(主体的・対話的で深い学び)の中心に深い学びがあるのは言うまでもないことです。
私自身も,過去の記事で下の図でも示していますが,
「深い学び」を実現し,より効果的に展開していくために「主体的・対話的」な学びがあると考えられます。そしてこれは,新学習指導要領内の記述で「主体的・対話的で深い学び」を略して「深い学び」と表していると思われるものが多くある事からも読み取れます。(実際,文部科学省の方とお話しする機会があり,その辺を聞いて見ましたが,「そのような解釈で違和感は無い」というお答えをいただきました)
ただ,「資質・能力」と「深い学び」の関係性となると,上の図とは少し違うのかもしれません。おそらく「『授業改善の視点』であり,育むべき『資質・能力』や評価に直接かかわるものではない」という表現は,ALについての説明ではないかと思われます。つまり「ALの目的」≒「深い学び」となれば,そういう説明になって不思議が無いと思います。
私自身は,ALを「主体的・対話的で深い学び」と言い換えた時点で,そこに付加価値的に変容したものがあると思っています。それがこの部分であり,「深い学び」は各教科等の目標をしっかりと達成するものであり,各教科等でそれぞれの目標(各教科等の3つの柱で示される「資質・能力」)が達成されることより「(未来を拓く)資質・能力」が十分に育まれるということだと考えます。
今後もいろいろな人のお話しを聞きながら,何となくまとめていきたいと思います。新しい情報があれば,また記事にしたいと思います。