とっさに思い浮かぶのは
① 指導・支援による活動の促し
② 評価による動機付け
でしょうか。ALの授業では,よくおこなわれる「グループ活動」ですが,その時の教師の立ち位置について,今回は話題にしたいと思います。
多くの場合,教師はそれぞれの目の届く範囲で,①を行います。少し教師のレベルが上がると②を織り交ぜて,さらに学習者がALの充足性が高い場合であれば,他のグループへのかかわりを促したりします。
(大抵は①に入った子供の指導で夢中になってしまい,時間をオーバーすることが多いですね。そして,その分がそのまま授業の超過時間になることが一般的な気がします。)
さて,「主体的な学びを進めるために,教師が細かく評価を行うことで学習者の動機づけを促す」というのは一見もっともらしいですが,その一方で「教師が評価をしなければ,学習者が動機づけられない」という負の働きがあることにも目を向けることが大切だと考えます。
かと言って,学習者は評価をされることでより動機づけられて,主体的に学ぶことができることは間違いないと言っていいでしょう。となれば,だれが評価すべきかはすぐわかりますね。
そうです。学習者同士の評価(相互評価)が大切であることに気付くはずです。一方で,「子供の評価は単元や本時の目標にあったものとは限らないのではないか」という疑問もわいてきます。その解決のためには,目標の明確化と想起させる場の設定が必要になるでしょう。
このことこそが,グループ活動において教師がするべき行動であると考えられます。
ちなみに文字通りの「立ち位置」については,私はどちらかと言えば俯瞰の位置にいることが多いです。全体の様子を見て,活動に打ち込めない子供や学習とは別のことに夢中になってしまっている子供を見つけて,その子供を取り込んでくれる別の子供に声がかけられるようにしたいからです。この辺りは西川純先生の『学び合い』の考え方に近いのかもしれません。
クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック> (THE教師力ハンドブック) 西川 純
今回の評価の話は,「主体的な学びのために『内発的動機付け』が重要であるが,それをするために『外発的に指導している』ということに,自覚的になった上で次の指導を考える」という少し難しいお話でした。ここでまとめられるほど簡単なお話ではないですが,自分の指導をもう一度振り返るきっかけになってくれればと思います。