これからの問題解決は「ポリア」に帰る?

この本はとてもおもしろいです。とても1944年に書かれたものとは思えない内容です。古い内容の本ではありながら,それを踏まえて読むととてもポップで,ワクワクするような本です。

「もしも学生がさほど有能でない場合には,教師は学生に1人で仕事をしているかのように思わせるべきである。」

「問題の答えを見つけようと言うときには・・・第1に問題を理解し・・・第2に計画を立てる・・・第3に計画を実行し・・・第4に振り返って・・・。」

などなど,今,授業の基本形となっている問題解決的な学びについての王道が示されていると言っても過言ではないと思います。

特に,

「理解しない問題に答えるというのはばからしいことである。」

については,問題(課題)把握の重要性について語る内容であり,ALを行う上でも協同的に学ぶ価値の一つとして位置付けられることです。

ALについて,今後の「算数・数学科」のキーワードに「創造」と「問題解決」があって,「問題解決はポリアに帰る」とおっしゃっている人もいるようです。そこまで肩肘張らずに,「昔と比較すると面白いなぁ」くらいの感覚で読める良書ですよ。

子供を主体的にするには 子供の気持ちがわかることが大切

内容紹介(amazonより)

「あの子がなぜ?」「子どもが考えていることがわからない」。そんな悩みを解決する、簡単だけど強力な“見取り”に関する三つのノウハウ。気になるあの子から、集団の見取りまで。『学び合い』を活用した名人レベルの見取りの極意を、会話形式をまじえてまとめました。


「社会科の資料(グラフ)の読み取りができないのは,算数の学習が十分じゃないから・・・」と算数の習熟に時間をかけすぎてはいませんか?
グラフの知識を使うためには,算数の時間に「どんな場面でグラフを使えるか」や「グラフを使うよさ」について十分体験しておくことが重要です。そして社会の時間で「グラフが出てきたら,算数の知識を使う」というタグを付けてやる学習も有効です。これらができていないと,「グラフの知識はあるのに,それを使う場面かの判断ができない」子供を量産し,教師は「グラフは読めるはずなのに,どうしてグラフの問題ができないんだろう」という迷路に迷い込むことになります。

個人的には学び合い場面に俯瞰して,子供に直接指導をあまりしないスタイルにはまだ懐疑的なので,諸手を挙げて賛成とはならないのですが,「学び合い」シリーズの本はアクティブ・ラーニングの学びに通じる部分が多く,よく読んでいます。

「論点整理」に見る「資質・能力」の位置づけ

ここでいう「論点整理」は,文科省に設置された「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」より,平成26年3月に取りまとめられたものです。 “「論点整理」に見る「資質・能力」の位置づけ” の続きを読む

ルーブリックとは何か

ALの研究が始まると,当然「目指す子供像」(最近やっと漢字表現が一般的になりつつありますね)というのが設定されるはずです。つまり,「どんな姿を見られれば,ALによる研究が進んだと言えるか」という基準になるものです。 “ルーブリックとは何か” の続きを読む

実際に自分で行ったコンテンツ 18選

前記事 「アクティブ・ラーニングによる授業をするために,私たちが気を付けるべきこと」で書いた通り,アクティブラーニングを研究テーマに据えたとき,最初の一歩になるのはアクティブラーニングの「定義」とアクティブ・ラーニングで「何をするか」だと思われます。 “実際に自分で行ったコンテンツ 18選” の続きを読む

0. アクティブ・ラーニングの校内研究の最初の一歩

校内研究担当になって,「アクティブ・ラーニング」をテーマに据えたときに初めに取り掛かるのは,「自分の学校では,『アクティブ・ラーニング』をどう定義するか」ということでしょう。 “0. アクティブ・ラーニングの校内研究の最初の一歩” の続きを読む

これから読む予定の本

 

内容紹介(amazon)

「アクティブラーニングの伝道師」である小林先生による待望の入門書です。長年の現場経験に基づいた実践的かつ理論的な内容になっています。イメージだけでアクティブラーニングをとらえるのではなく、本書でアクティブラーニングの意義・実践方法・効果などについて正確に理解してください。具体的な記述から読者は多くの示唆を得られると確信します。(溝上慎一先生推薦の言葉より) “これから読む予定の本” の続きを読む