記事一覧

【AL実践例】授業をAL化するための14の視点

すごい本を見つけました。これは授業をAL化するための素晴らしい本です。たぶん今まで読んだAL化のための本としては最高レベルです。そして,タイトル通りではなく,算数授業以外にも十分「使える」本です。

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【AL勘違い】「ALは今までと変わらない」という言葉

先日研究会に参加した時に,ある先生がALの雑感をお話された中で「どこの研究会に行ってもALは今までと変わらないといわれる。何をすればいいかわからない」というものがありました。

私自身も文部科学省で新学習過程説明会に参加してお話を聞く中で,たしかに「今までと変わらない」というフレーズを何度か聞きました。しかしそこには,大事な文脈があるのですが,それがちゃんと伝わっていないというのが今回のお話。 “【AL勘違い】「ALは今までと変わらない」という言葉” の続きを読む

新学習指導要領における「主体的・対話的で深い学び」「見方・考え方」「資質・能力」

平成29年6月21日に東京大学で行われた「小学校新教育課程説明会」等でも,大きな話題となった「主体的・対話的で深い学び」。新学習指導要領では,このことを通して教科の目標(≒資質・能力の育成)を達成していくことが求められます。

新学習指導要領における「主体的・対話的で深い学び」と,「見方・考え方」や「資質・能力」の構造を,図を用いながら解説します。

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【新学習指導要領】アクティブ・ラーニングの目的

今回は,新学習指導要領が告示されて,その中ではALの表記が無くなったわけですが,内容的にはALがより実践しやすくなったというお話です。

ALの目的は基本的には「資質・能力」の育成を目指すものです。しかしこれまでの学習指導要領では,「資質・能力」を育成するという観点では書かれていません。

もちろん資質・能力の要素については書かれているのですが,各教科等を横断的に意識するものでも,発達段階を十分に配慮したものとはいえない部分がありました。そのことは論点整理(「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」平成26年3月)でも以下のように語られています。

従来の学習指導要領は、児童生徒にどのような資質・能力を身に付けさせるかという視点よりも、各教科等においてどのような内容を教えるかを中心とした構造。そのために、学習を通じて「何ができるようになったか」よりも、「知識として何を知ったか」が重視されがちとなり、また、各教科等を横断する汎用的な能力の育成を意識した取組も不十分と指摘されている。

これまで各学校の実践で,ALが活動重視になっていたのは,ALで育てようとするもの(資質・能力)は,これまでの学習指導要領で扱っているものよりさらに高度なものである,という認識に基づくものです。つまり,各教科等の目標よりも高度ものを求めることになり,それとは別に教科の目標を達成しなくてはいけない,ということで,比較的見えやすい「主体的・協働的(対話的)」に重きが置かれ,資質・能力の育成がないがしろになりがちだったと考えられます。

ところが,

次期学習指導要領では,資質・能力が各教科等の目的に位置付き,教科の目標を達成すれば,資質・能力が育成される(その逆も)という関係になりました。これにより,ALは「各教科等の目標を達成するための手段」であることが明確に位置づけられました。

ALという言葉はなくなっても,それを何のために行うのかという点では,非常に明確になったのが,次の学習指導要領だといえそうです。

 

【AL指導案】計算のやくそくを調べよう 4年 算数

アクティブ・ラーニングの実践例(指導案)を何本かUPしてきましたが,今回は次期学習指導要領(新学習指導要領)の内容にあわせて作ってみました。

なので,「資質・能力」や「学年の目標」などはかなりしつこく書いています。評価項目もちゃんと3観点になっています。今後精査はしていくつもりですが,基本的にはこんな形の指導案になるのではないかなと思います。

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深い学びとは何か(次期学習指導要領の内容を基に)H29.5

これまでのALを踏まえて,「深い学び」についてスライドでまとめてみました。


最後におまけスライドが付いています。背景を捉える一つとして参考になれば・・・。

【AL授業評価】主体的・対話的で深い学びの授業評価シート

自己評価用にも,授業評価用にも使えるようにしました。
参考にしたのは,千葉県我孫子市立我孫子第一小学校で使われていた,
授業評価シートです。原本は総合教育技術5月号に載っています。

基の表よりも・・・

字数を減らして,観点をシンプルにしました。
あとはAL自体が子供主体なので,評価項目も子供を先にしました。
メモ欄は評価の根拠がその場で書けるようにつけたものです。

AL評価シート(web)

ALの授業評価に役立てていただけると有り難いです。

【動画テスト】アクティブ・ラーニングについて補足

ALの目的について「単元を貫く言語活動」を例に説明しています。

国立教育政策研究所の統括調査官から,「『単元を貫く言語活動』は間違いなくALだが,一つの型としてあまりにも広がりすぎたため,喧伝を避けた」という話を聞きました。

そのこととあわせてALを見ると,今の「主体的・対話的で深い学び」の研究のためには,目的(資質・能力の育成)を見失うことがないようにしたいものです。

平成29年度オススメ! 校内研究仮説の例

4月に入って,ずいぶんアクセス数が伸びました。
おそらくは,「今年の研究についてどうしたものか」とお考えの研究担当者さんも来てくれているのではないかと思います。
私自身も,今年の研究仮説(テーマ)をどのようにしたものか考えているところですので,少しでも役に立つものがあればと思い,エントリーを立てました。 “平成29年度オススメ! 校内研究仮説の例” の続きを読む

【校内研究】関心・意欲・態度って使い分けていますか?

 

関心・意欲・態度と言えば,評価観点の最初にして最重要項目という捉えられ方をされてそれなりに時間も経ったことと思います。ところで,この言葉って皆さんどのように理解されていますか?

この評価観点についてこんな方法で評価されている方が多いような印象です。

1. 授業中の挙手や発表の回数
2. 単元の導入で興味を持っているか
3. 忘れ物や課題未提出者に対して減点する
4. 普段の授業態度(姿勢やノートの記入など)

特に1.や2.は今回の改訂でバッサリ切らねばならない評価方法と言えます。
(3.や4.は問題外ですよね)

まずは関心・意欲・態度とはそれぞれ,どのようなものを指しているのかを確認する必要があるでしょう。

大まかに言うと,それぞれが高い状態と言うのは・・・

関心 目の前にあるものについて興味をひきつけられている
(例 授業中に意欲的に発言する 実験に一生懸命取り組む など)
意欲 目の前になくても興味をひきつけられ,行動に現れている
(例 学んだことを使って,意図的に日常生活に適用する など)
態度 学習内容を基に考えることが日常化し,習慣の一部になる
(例 普段の生活で考える手段になっている など)

具体的に言うと,小学校4年生算数の折れ線グラフなら

関心○ 教科書などの問題にあるグラフを書いている
意欲○ (グラフで表すことを目的にして)気温の変化をグラフで表してみる
態度○ (グラフで表すことを手段にして)学校の児童数の変遷を伝えるためにグラフを使う

こんな感じでしょうか。

今回の育成を目指す資質・能力の3つの柱で言うと,「どのように社会・生活と関わり,よりよい人生を送るか」で言うところでは,「意欲」や「態度」の育成が求められていると考えられます。

つまり単純に4観点が3観点に整理されたと言うよりは,それぞれの観点を捉えなおして,授業改善の方向性を明確にしたと言えるのではないかと思います。

他の2つの柱についても,同様にいろいろ解説したいところですが,俺はまたの機会に。

 

 

平成29年度研究を進めるために,ぜひ読んでおいた方がよい1冊!