そろそろ答申をまとめた本が出始めています。自分がわかりやすかったのは,これ
総合教育技術2月号
これを読みながら,答申を読み返してスライドにまとめました。校内研修などで活用いただけるとありがたいです。(スライドに名前が入ってますが・・・)
校内研究で役立つ情報満載!「令和の日本型学校教育」で知りたいことはココでわかる。(旧タイトル:できる!小学校・中学校でアクティブ・ラーニング)
そろそろ答申をまとめた本が出始めています。自分がわかりやすかったのは,これ
総合教育技術2月号
これを読みながら,答申を読み返してスライドにまとめました。校内研修などで活用いただけるとありがたいです。(スライドに名前が入ってますが・・・)
補足資料4/7の後半(pp.124-129)でアクティブ・ラーニングの歴史的背景等についての説明があるのですが,そこで以前紹介した「活動の「動詞」から見る学習への深いアプローチと浅いアプローチの特徴」が載っていました。少しカラフルになって。
H28.12.21に中教審から出た答申を読んでいたところ,「教化等を超えた全ての学習の基盤として育まれ活用される資質・能力」について書かれているP35に
物事を多面的・多角的に吟味し見定めていく力(いわゆる「クリティカル・シンキング」)
という表記を見つけました。これは, “【H28.12.21答申】(いわゆる「クリティカル・シンキング」)” の続きを読む
最近ALの研究会に参加をすると,「全ての授業がAL型授業でなくてよい」という話を聞きます。確かに,課題解決学習やピア・インストラクションなどの学び方が,最適ではない授業は存在します。(知識・技能の習得を目標とする)いわゆる「普段の授業」では,AL型授業だと時間がかかりすぎるのが実際です。
上記の話と合わせてよく聞くのが,題名にもなっている「教えるべきは教え,考えさせるべきことは考えさせる」という言葉です。しかし,これによりALの視点からの授業改善を意識せずに,普段の授業は「今まで通りの授業でよい」という結論に至ってしまっている先生方が多いように思います。今回はそのことについて書いてみようと思います。 “「教えるべきは教え,考えさせるべきことは考えさせる」という言葉の危うさ” の続きを読む
アクティブ・ラーニングの視点を生かした授業 共に学ぶ
東洋館出版社
校内研究の始め方として,
① 本校児童の実態(教員によるアンケート)
② 本校児童の課題(研究部の集約)
③ 目指す子供像(研究部の提案)
という風に見せるのが一般的だと思います。今だと研究主題を設定するために,アンケートの内容をそれ(AL)に寄せたものでとって,「課題」や「子供像」をどうするか考えるのが研究部のお仕事ではないでしょうか。
「子供の実態から課題を見出し,研究仮説を立てる」というのは,もっともそうな感じはしますが,子供の姿というのは捉え方次第で,それに向けた指導・支援のあり方も変わっていくという欠点(?)もあります。データの受け取り手によって,「本当にそれが課題と言えるの?」と言われてしまっては,せっかく取り組む研究もそのよさがなかなか伝わっていかないでしょう。
むしろ,「子供たちがこんな姿になったらいいな」というところから,研究仮説を立てていくというのも(潔い?)一つの方法だと思うのです。今回紹介する本の中では,ALの授業を通して目指す資質・能力を身につけた子供像について,教科の具体の姿と共に紹介されています。これは同時に「こんな姿が見られれば,ALで資質・能力が育っていると言える」という評価規準にもなります。
正直,情報の鮮度の面で見れば,それほど新しいことがたくさん載っているものではありません。それは,これまでの中教審が打ち出してきた方針と大きく違わない(というか全く同じ)からだと言えます。そういう意味で,研究のベースとして読んでおくのはいい一冊だと思います。
後半には,弘前大学教育学部附属小学校の実践も載っています。
個人的には,学習指導要領の国語科の規準を超える活動(例:1年生で「相違点」について話し合う等)が目に付いて,その分の指導をどうするかという疑問がありました。
しかし,それぞれの実践はALの視点を十分もちながら行われているもので,大変参考になるものが多くあるように思います。それぞれの授業の板書計画もあるので,非常にイメージしやすく,これらの実践を再現することも先述の点さえクリアできれば難しくないと思います。対話的な内容がしっかり記録されているのもいいですね。
そんなわけで「買い!」の一冊です。
前の記事
「小・中学校ではアクティブ・ラーニングはすでに行われている」は本当か(ALの階層①)」
で(より一般的なレベルの先生方が)AL型授業をするための要素があるという話をしました。あわせて「点」のAL,「線」のALというのもありました。今回はその話の続きです。 “全ての教員に必要な「ALの視点」とは(ALの階層②)” の続きを読む
研究大会などで,ALの話になるとよく出てくる言葉です。質疑応答の場面で,各学校の研究を担当されている先生が,授業者や研究担当者に対しての質問でよく見かけます。具体的な例で言うと「今までの授業とどこが違いますか?」という質問が端的なものです。 “「小・中学校ではアクティブ・ラーニングはすでに行われている」は本当か(ALの階層①)” の続きを読む
この記事はずっと下書きに保存していて,ずっと書けずにいたのですが,今回の学会に参加してとても参考になりそうな発表を見かけたので,改めて書き出しました。
今回,北海道教育大学釧路校の早勢裕明先生が,池田敏和先生が2002年に書かれた「算数科における授業を見る視点に関する研究」(日本数学教育学会誌)を基に,研究協力者の授業を評価したものを見ることができました。それによると,
「授業事例における成否を分ける瞬間と教師が不安を感じる場面や対応策の関連」という項目で,場面の対応策として「ベテラン教師によるインタビューによる算数科の授業を見る視点」を,21項目で挙げています。例えば
1. 教えたいことは子供から出させている
2. 何が本質かを捉える
3. 子供の反応を予想する …
などです。上にもある通り,これは算数授業を想定したものですが,項目を精査することで,他の教科等でも使えるものになりえると考えられます。チェック表に使えそうな項目がたくさんあります。
もう一つ。ALのチェックリストを作るには,一つ気を付けるべき点があります。それは
Aという活動をしているからALである。
Bという活動が不足だったからALでない。
という均一的な評価はALにはそぐわないことです。
これまでの各地方の教育委員会などの取組で,授業のチェックリスト的なものはありました。授業の評価は,いくつかの要素(項目)の達成により「良い授業」と判断されるはずのものだと思います。しかし実際は,「プリントを用いて適用問題に取り組んでいる」や「ノートの指導が適切にされている」など,項目がたくさんあって結果的に「減点法」により授業を評価することになるものが多いように思います。このやり方では,多様な学習活動によって資質・能力を育てよう,というAL型授業の評価は難しいと思います。
このようなチェック方法では,最低限の単一的な授業を作り出すことはできても,AL型授業の目指す「主体的・対話的・深い学び」を実現するのとは,別の方向に行きかねないと思います。
以上の要素を盛り込んで,今後「AL型授業チェックシート」の作成を考えています。完成はいつになるのか…。少々お待ちください。
PS. いくつかの要素をクリアしているかをチェックするシートを参観者分集めて,それを集計することで,「アクティブ度」として数値化する試みも考えています。また,2次元表(「主体的」と「深い学び」)+補助として「対話的」を盛り込んだ表を作成し,参観者の評価をプロットすることで,授業評価及び良かった点,改善点を明確にする事もやってみようと思っています。(Q-U的な感じですかね)
研究発表で発表したスライドはこちら。
前回のスライドに,主に子供の感想や改善の視点を追加した形で作りました。